Netflixオリジナル映画を、実際に見た感想を交えながら紹介

山ほどあるNetflix映画、正直どれを見たら良いのかわからないという人も多いことでしょう。
Netflixオリジナル作品は、良作も多いのですがそれ以上に「 地雷」と言うべき作品もたくさんあります。

そこで、暇人の私が見た作品たちを、激しいネタバレの無い範囲で簡単に内容を解説しながらおすすめ度を紹介します。

なお、私の好きな分野はSF・ミステリーです。
アクション・ラブロマンスはここでは紹介しません、ご注意を。

オキシジェン

目が覚めたら棺桶サイズの箱の中に閉じ込められ、記憶も失っていた…というキャッチーなシチュエーションから始まる物語です。

なんとか外部と交信を図ろうとする主人公に対して、話の通じないAIとあまり役に立たない警察。ミステリーとして完璧な構図ですね。
箱の中で繰り広げられる攻防と、次第に明らかになっていく主人公の過去や箱の外の状況、そして驚きのラスト。
箱の中が舞台なのでカメラが動かず退屈に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、SF系ミステリーとして良作です。

ただし、前述の事情から閉所恐怖症の人はご注意を。私は何回か休憩しながら見ました。

おすすめ度:★★★☆☆

THE GUILTY/ギルティ

こちらも、前述の「オキシジェン」と同じくひとつの部屋で物語が完結するタイプの映画です。

主人公は、911のオペレーターとして働く男性。どうでもいい通報ばかりでウンザリしていたところに、明らかに尋常じゃない雰囲気の通報が。話していくうちに、自分と同じく子供を持つ通報者の女性に感情移入していってしまい……という話です。

ミステリー、スリラー、そして人間ドラマとして優秀なので、一度は見ていただきたい良作です。

おすすめ度:★★★★☆

余談:ひとつの部屋で物語が完結する映画が多い

Netflixオリジナル映画は、予算の関係なのか「ひとつの部屋で物語が完結する映画」が多いように思います。
アクションを楽しみたい人には全く不向きですが、密室での人間ドラマを楽しみたい人にはうってつけです。

フラクチャード

典型的な「狂っているのは世界か?自分か?」系の映画です。

怪我をした娘を病院に連れて行ったが、娘は突然姿を消し、しかも誰に聞いてもそんな女の子など見てはいないと言い張る。
行方不明になった娘を探してお父さんが頑張る話です。

映画「フライトプラン」が好きな方はこちらも楽しめるでしょう。

私は「狂っているのは世界か?自分か?」系の映画が大好物なので、とても楽しめました。

おすすめ度:★★★★☆

ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ

上記の「フラクチャード」と同じく、「狂っているのは世界か?自分か?」系の作品です。

こちらは、広場恐怖症を患って家から出られない主人公が、向かいの家で起きた事件を窓越しに目撃してしまったところから物語がスタートします。
しかし、警察も、さらには向かいの家に住む事件の張本人たちもそんな事件は起きていないと言い張り、物語は泥沼の展開を迎えます。

若干、ストーリー展開が冗長で長いのですが、それに目を瞑れば良作と言えるでしょう。私は楽しめました。

おすすめ度:★★★☆☆

JUNG_E(ジョンイ)

「コピー人間問題」に鋭く切り込んだ良作韓国SFです。

伝説的な強さを誇った傭兵をもとに作成されたコピーたちと、そのコピーされた母を研究する娘の話です。
親子の物語を描くと、どうしても「母から娘」への愛というテーマになりがちですが、この映画は非常に珍しい「娘から母」への時空を超えた愛をテーマに作られています。

メカやアクションも適度に楽しめ、良作と言えるでしょう。

コピー人間問題に興味がある方、アジアンSFに飢えている方におすすめです。

おすすめ度:★★★★☆

TAU/タウ

この映画の評価が不当に低いことに私は憤りを感じています!!

とある実験のために攫われ監禁された女性が、AIの 「TAU」をうまく手懐けて脱出を図るという話です。
「記憶」を何より大切な宝だと感じるAI「TAU」がジワジワ記憶を消されていくという拷問を受けるシーンに私はめちゃくちゃ感情移入してしまいました。

おそらく、この「とある実験」の全容が最後まで明かされないことが不評の原因かと思われますが、主題はそこではありません。記憶とは何か、人格を形作るものは何かを考えさせられる良作です。

AI「TAU」がとても可愛いので、AIと人間の友情ストーリーが好きな方はぜひ見てみてください。

おすすめ度:★★★★★

ホンモノの気持ち

人間そっくりに作られたアンドロイドと人間のSFラブストーリーです。
愛は種族を超えられるか?が大きなテーマなのですが……、この映画にはもうひとつ大きな軸と言える要素があり、それが物語に混乱と軸のブレをきたしてしまっています。
その要素は「飲むと恋に落ちるドラッグ」です。

よくあるアンドロイドと人間の恋愛ストーリーに変化をつけようとしてこのドラッグの設定を入れたのではないかと私は推測していますが、正直失敗だったのではと思います。物語の軸がブレブレになってしまったからです。

人間とアンドロイドの異種族恋愛と、恋のドラッグ、2本の映画にした方が話のまとまり的にもよかったのではないでしょうか。

純粋に人間とアンドロイドの恋愛モノ、心のすれ違いが好きな人は楽しめるかもしれません。

おすすめ度:★☆☆☆☆

Mute/ミュート

主人公の母が某宗教の敬虔な信者だったばかりに怪我を治療してもらえず、声を発することができなくなってしまったので「ミュート」という題名です。

が……その設定が全く物語に生きていません。
物語の軸にも絡んできません。ひとかすりもしません。
声が出ないせいで主人公が困るシーンは、図書館での蔵書検索が音声検索だけしかなかったシーンだけです。まず、図書館なのに何で音声検索だけなんだよ、とツッコミどころしかありません。
ただのサイバーパンク的世界で、とっても寡黙な主人公が探偵をするだけの話です。

サイバーパンクな街並みが見たいだけのひとならば楽しむ余地はあるかもしれませんが、おすすめはしません。

おとなしくゲーム「サイバーパンク2077」をプレイしましょう。

おすすめ度:★☆☆☆☆

スパイダーヘッド

感情を操作できるデバイスを取り付けられ様々な実験に参加する代わりに、快適な暮らしを約束された囚人たち。そんな囚人たちの一組が恋に落ち、なんやかんやする話です。

テーマも設定も良い、ストーリーも途中までは良かった……のですが、はっきり言って駄作です。
設定倒れで何が言いたかったのか最後までわかりませんでした。

感情を本人の意志とは関係なく操作できる状態、という恐ろしくも興味深いテーマに対するアンサーが全くありませんでした。

本当に、テーマも設定も良かったんですよ。だから私が期待しすぎたのかもしれませんね。

おすすめ度:★☆☆☆☆

デンジャー・ゾーン

オチが弱い!!ともかくオチが弱すぎて、それがこの映画の評価を下げている一因だと思います。

実際の戦場へ出た経験のないドローン兵器パイロットだった主人公が、人間そっくりに作られたアンドロイドと実地での任務について、戦争の現実を知る話です。
これだけならばとても面白そうに聞こえ、実際に途中までは面白いのですが……。

オチの弱さに目を瞑れば、メカやロボット、人間とAIのコンビものが好きな人にはおすすめできるかもしれません。

おすすめ度:★★☆☆☆

アイ・アム・マザー

オチがちょっと弱い!
しかし、上記「デンジャー・ゾーン」に比べると、考察の余地が残されているだけまだ楽しみ甲斐があるのかもしれません。

外の人間は絶滅したと聞かされ、施設の中で「マザー」と呼ばれるロボットに育てられた主人公。しかし、ある日外の世界から絶滅したはずの人間が現れ、主人公はその人間を助けようとするが……という話。
人類絶滅モノのSFとしては、かなりの良作ではないでしょうか。

「マザー」が全力疾走する姿は下手なホラーよりよっぽど怖いので、そこだけでも見る価値はあります。

おすすめ度:★★★☆☆

ミッドナイトスカイ

こちらも若干オチが弱い!が、前述の「アイ・アム・マザー」と同じく考察の余地があるので、考察が好きな方には楽しみ甲斐がある、かも……。
ただ、長い!!
ともかく長いです。2時間近く、雪景色と宇宙船の映像が交互に流れます。正直あまりおすすめはできません。

とりあえず、「何か言った瞬間にネタバレ」になる可能性がある作品とだけ書いておきます。

おすすめ度:★☆☆☆☆

密航者

「えっ!?これで終わり!?」と思わず画面に向かって叫びました。
オチが……オチが弱すぎます!!

ストーリー自体はとても面白かったです。
が、作中で展開される思わせぶりな謎や伏線のようなものを網目のように張り巡らせておきながら、全く回収されません。全くです。

宇宙船という密室空間で繰り広げられる人間ドラマだけは本当に面白いので、それ目当てで見るのはアリかもしれませんが、前述の通りオチが弱すぎるので、あまり積極的にオススメはしません。

おすすめ度:★☆☆☆☆

余談:低評価の理由のほとんどは「オチの弱さ」

Netflixオリジナル作品で低評価がついている場合、ほとんどがこの「オチの弱さ」に原因があるように思います。逆に、話にオチを求めない、過程を楽しめるタイプの人はどの映画も楽しんで見ることができるのかもしれません。

流転の地球

名作中華SFです。
地球の危機を救うため、全世界が協力した世界線でのお話。
木星でのスイングバイに失敗し、宇宙船(地球にエンジンを取り付けたもの(!))が木星に激突することを防ぐために、名もなき若者たちが頑張るお話です。

この映画で描かれる「地球に直接エンジンを取り付けて宇宙船にする」というぶっ飛んだ発想は、中国の「家」を大切にする文化から来ているそうです。ぶっ飛びすぎではありますが、圧巻の映像で見せられると説得力があるように思えてくるので不思議です。

なんと、「流転の地球2」も作られているらしいですね。今作の前日譚にあたる話らしいです。とても楽しみです。

とりあえず、宇宙系SFが好きな人ならば一度は見ておくべきでしょう。

おすすめ度:★★★★★

ネクストロボ

子供向けロボットアニメです。
ロボット嫌いの女の子と、作成されたばかりの試作型ロボが友情を育む話です。
多分、好きな人も多いであろう映画なのですが、私には全く刺さりませんでした。

まず、主人公の女の子とロボが友達になる理由がまったくわかりません。
ロボットと人間の友情物語を描きたかったのだろうとは思います。が、女の子のロボット嫌いは半端ではなく、相棒ロボに命令して通りすがりのロボットたちを見境なく破壊させるという横暴っぷり。
しかも、その相棒ロボはイヤイヤ命令に従っているだけで、本心ではロボットを破壊することを嫌がっている。
なぜこの2人に友情が芽生え得るのでしょうか? はっきり言って謎です。

おとなしくベイマックスを見ましょう。

おすすめ度:★☆☆☆☆

ライフ

火星で見つけた未知の生物を宇宙船の中で培養する話です。

……。
……ぶっちゃけて言うと、この映画は「敵の姿がはっきりわかっているエイリアン1」です。

「エイリアン1」のドキドキ感をもう一度味わいたいという方におすすめです。あるいは一度もエイリアンシリーズを見たことがない人。

おすすめ度:★★☆☆☆

今後も追記予定です

Netflixの映画は、 掘り出し物から地雷級に微妙な作品までよりどりみどりで面白いです。
評価が低いのを知った上で見てみるのもまた一興です。

というわけで、Netflixオリジナル映画の感想でした。
また他の作品も見たら追記していきたいと思います。

以上。