最近、AIによる画像生成技術が世間で話題になっていますね。
というわけで、わたくしも早速AIさんに背景を手伝ってもらいながら絵を描いてみました。
背景の下絵になる画像生成
まずはAI「stable diffusion」さんに背景を描いてもらいます。
今回は「サイバーパンク、スラム街、路地裏、夜、雨、水たまり(その他細かな注文)」というワードで何パターンか描いてもらい、その中から良さそうなのを選びました。

▲こちらがstable diffusionさんが出力したイラストです
ここから先は手作業です。
キャンバスに配置

今回は縦長の絵にしようと思っていたので、縦方向に画像を伸ばし、不必要な部分をトリミングしました。
色調整

「FIGHT NIGHT」に出てきたマルタの街の雰囲気を出すため、背景の一部を緑系に振りました。
キャラクターを描く

まずキャラクターを描きます。
背景のライティングに注意しながらキャラクターに光を当てます。
背景をなじませる

このままだとキャラクターが完全に背景から浮いてしまうので、背景のタッチをキャラクターに寄せます。
背景に対してイラスト風にするフィルターをかけてもよかったのですが、私はブラシで細部を塗りつぶすような感じで馴染ませました。
ブラシで馴染ませるのはかなり手間ですが、フィルターよりも描き込み密度の調節がしやすので、最終的にはブラシで仕上げることをおすすめします。
コツは、AIさんが何を描こうとしていたのかを想像しながら補完するように描いていくことです。
下絵の「良さ」を消さないように細心の注意を払います。
完成!

馴染ませる過程で消えてしまった雨などの効果を描きなおし、右腕と傘を追加・微調整して完成です!
余談:AIに背景を描いてもらうことの是非
AIに背景を描いてもらうことは「ズルい」ことなんじゃないか……と思ってしまう人もたくさんいらっしゃると思います。
私も最初はそう思い、躊躇していました。
しかし、この「ズルい」という感覚は、以前にも覚えがありました。
CLIP STUDIO PAINTの「デコレーションツール」を知った時のことです。
デコレーションツールで背景の草木や雲をクリックひとつで描くことに、最初はとても抵抗がありました。自分で描いていない=「ズル」をしているという感覚があったからです。
しかし、使っていくうちに次第にそんな感覚も薄れ、最近では自分のタッチに合う素材を探して積極的に活用するほどになりました。
AIも同じだと思います。
この世にAIによる画像生成技術が放たれてしまった以上、この流れを元に戻すことはできません。不可逆です。
ならば、上手に付き合おう、というのが私の考えです。
(もちろん、ご依頼いただいたイラストにAIを使うことはありませんのでご安心ください! あくまでも個人的な実験のためです)
念の為、2022年9月2日現在、AIによる生成物の権利に関して最も詳しく書かれていると思われる記事をご紹介します。
https://storialaw.jp/blog/8820
もし画像生成AIに興味がある方は、こちらを一読してからのご利用を推奨します。
以上。
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